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月と魚 ──恋しいひとへ── (Aged 27)

わたしは 深い夜の海に棲む魚
あなたは お月様


青い ほのかな ひかりをそそぎ
魚は はるか彼方の水上に憧れ


ただ一度 満月の晩だけ
あなたのひかりに 導かれ
魚は 水面(みずも)への旅に出る
なにもかも忘れ 上へ上へ
あなたの近くへ


そして あなたのひかりは
わたしに注ぎ
絡みつき
その 腕(かいな)に抱きあげる


月の光に 魚は はらみ
はらんだ魚を 水面(みずも)に残し
あなたは 天へと かえってゆき

わたしは 再び
かそけき新月の闇へと
ゆっくりと 沈んでゆくのだ


はらんだ 夢の重さに
じっと 眼を閉じ
わたしの棲み家である深海で
孵化を待つのだ



つぎの満月に捧げる
貢ぎもの



27歳のとき書いたもの。
少し前には最初の結婚に終止符を打った頃。

新たな 恋の最中にあるけれども 振り返れば この恋の相手は 
自分の恋愛史に残す価値もなかったのだが・・



恋愛は幻想ということを、しみじみ思う。
まさにそれは 己の脳内で勝手にくりひろげられる万華鏡のような世界なのだ。

でも、想いそのもの というのは ある種の真実なのだろうと思うのだが。
自分の自覚している目的とは異なっても。
己の心のなにかを如実に映し出す鏡、として。

そのとき相手のことも、自分のことも、完全に見間違っていたとしても。

テーマ :
ジャンル : 小説・文学

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Re: タイトルなし

読んで下さってほんとうにありがとう

本当に素敵な詩です。今日は飲み過ぎてしまって涙脆く多弁です。本当にありがとう。そばで支えてくれる人がいて本当に良かったです。見つけてくれてありがとう。
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プロフィール

黒猫

Author:黒猫
このブログはHPから詩の部分だけをまとめました。

10代の頃からこれらの詩はいつも自分の中にありました。
私の中にとけ込んだ詩人たちんの言葉と私自身のつたないことばだち。

八木重吉の「秋の瞳」序文ではありませんが、このつたない詩を読んでくれたあなた  私を心の友としてください。

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