「星の王子さま」のきつね

キツネと王子様の出会うシーン。
自分の小さな星に置いてきた、
強がりで気位の高い一輪のバラの花のことを思って泣く王子さま。
そのバラの花は 自分は世界でたったひとつと思っていたし
王子さまもそう思っていたのに
地球に来てみたら そこら中に同じ花があって
彼女が唯一無二の存在ではないことが 彼女のためにも悲しくなってしまったのです。

王子様が草の上につっぷして泣いているところに現れた一匹のキツネ。

王子様「ぼくと遊ばないかい?ぼく、ほんとにかなしいんだから…」

キツネは 遊べないよ、といいます。なぜって「飼いならされてないから」。

飼いならす??・・・・・・・・・王子様はそれ、どういう意味?とキツネに訊きます。

キツネは それは 「仲よくなる」ことだと答えます。

キツネ「おれの目から見ると、あんたは、いまじゃ、ほかの十万もの男の子と、べつに変りない男の子なのさ。
だから、おれは、あんたがいなくたっていいんだ。
あんたもやっぱり、おれがいなくたっていいんだ。
あんたの目から見ると、おれは、十万ものキツネとおんなじなんだ。
だけど、あんたが、おれを飼いならすと、おれたちは、もう、おたがいに、はなれちゃいられなくなるよ。
あんたは、おれにとって、この世でたったひとりのひとになるし、
おれは、あんたにとって、かけがえのないものになるんだよ…」

「(略)
 もし、あんたが、おれと仲よくしてくれたら、
 おれは、お日さまにあたったような気もちになって、暮らしてゆけるんだ。
 足音だって、きょうまできいてきたのとは、ちがったのがきけるんだ。
 ほかの足音がすると、おれは、穴の中にすっこんでしまう。
 でも、あんたの足音がすると、おれは、音楽でもきいてる気もちになって、穴の外へはいだすだろうね。
 それから、あれ、見なさい。 あの向こうに見える麦ばたけはどうだね。
 おれは、パンなんか食やしない。麦なんて、なんにもなりゃしない。だから麦ばたけなんか見たところで、思い出すことって、なんにもありゃしないよ。それどころか、おれはあれ見ると、気がふさぐんだ。
 だけど、あんたのその金色の髪は美しいなぁ。
 あんたがおれと仲よくしてたら、おれにゃ、そいつが、すばらしいものに見えるだろう。
 金色の麦をみると、あんたを思い出すだろうな。
 それに、麦を吹く風の音も、おれにゃうれしいだろうな。」

  キツネはだまって、長いこと、王子さまの顔をじっと見ていました。

「なんなら・・・おれと仲よくしておくれよ」


そうして、キツネは言います。自分のものにしてしまったことでなけりゃ、何もわからない、と。
そして、どうやったら友達になれるのかを説明します。
すこしずつ、近づくんだよ・・ しんぼうが大切だ・・・
毎日 おなじ時刻にやってくるといい。

「あんたが午後4時にやってくるとすると、おれ、3時には、もう、うれしくなりだすというものだ。
 そして、時刻がたつにつれて、おれはうれしくなるだろう。
 4時には、もう、おちおちしていられなくなって、
 おれは、幸福のありがたさを身にしみて思う。」


王子さまとキツネは仲よくなりました。
だけど別れの時が。

「ああ!・・・きっと、おれ、泣いちゃうよ」

王子さまは それじゃ何もいいことはないじゃないか!と言います。
だけどキツネは いいことは、ある。 麦ばたけの色があるから、と言います。


そうしてキツネは 別れのおみやげに 秘密をおしえてあげる、と言います。

その前に もう一度、その たくさんのバラの花を王子さまは見に行きます。
王子さまは花たちにいいます。

「あんたたち、ぼくのバラの花とは、まるっきりちがうよ。
 それじゃ、ただ咲いているだけじゃないか。
 だあれも、あんたたちとは仲よくしなかったし、あんたたちのほうでも、だれとも仲よくしなかったんだからね。
 ぼくがはじめて出くわした自分のキツネとおんなじさ。
 あのキツネは、はじめ、十万ものキツネとおんなじだった。
 だけど、いまじゃ、もう、ぼくの友だちになってるんだから、
 この世に一ぴきしかいないキツネなんだよ。」

「あんたたちは美しいけど、ただ咲いてるだけなんだね。
 あんたたちのためには、死ぬ気になんかなれないよ。
 そりゃ、ぼくのバラの花も、なんでもなく、そばを通ってゆく人が見たら、
 あんたたちとおんなじ花だと思うかもしれない。
 だけど、あの一輪の花が、ぼくには、あんたたちみんなよりも、たいせつなんだ。
 だって、ぼくが水をかけた花なんだからね。
 覆いガラスもかけてやったんだからね。
 ついたてで、風にあたらないようにしてやったんだからね。
 ケムシをーーー二つ、三つはチョウになるように殺さずにおいたけど--殺してやった花なんだからね。
 不平もきいてやったし、じまん話もきいてやったし、
 だまっているならいるで、時には、どうしたのだろうと、きき耳をたててやった花なんだからね。
 ぼくのものになった花なんだからね。」



キツネが最後に 伝えた 秘密とは。


   かんじんことは、目に見えない


ということ。

「あんたが、あんたのバラの花をとてもたいせつに思ってるのはね、
 そのバラの花のために、時間をむだにしたからだよ」

「めんどうみたあいてには、いつまでも責任があるんだ。
 まもらなきゃならないんだよ、バラの花との約束をね・・・」





テーマ : 児童文学・童話・絵本
ジャンル : 小説・文学

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黒猫

Author:黒猫
このブログはHPから詩の部分だけをまとめました。

10代の頃からこれらの詩はいつも自分の中にありました。
私の中にとけ込んだ詩人たちんの言葉と私自身のつたないことばだち。

八木重吉の「秋の瞳」序文ではありませんが、このつたない詩を読んでくれたあなた  私を心の友としてください。

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