手<高野喜久雄>


「探さないで…………
 神に向かっての 発芽です」

二日も遅れて
ぼくにとどいた君のハガキだ
駆けつけてみると
どこまでも深く 澄み切っている藍色の湖水



手を入れると 突然
手は手首から離れて
ゆらゆらと泳ぎ出した
まだあがらない君の屍体の方に向かって




         高野喜久雄 未完詩集より



あなたの想いは 魚となって
深い水底に横たわる わたしの むくろに
いつの日か  届くのであろうか

あるいは わたしの想いは。


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ジャンル : 小説・文学

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黒猫

Author:黒猫
このブログはHPから詩の部分だけをまとめました。

10代の頃からこれらの詩はいつも自分の中にありました。
私の中にとけ込んだ詩人たちんの言葉と私自身のつたないことばだち。

八木重吉の「秋の瞳」序文ではありませんが、このつたない詩を読んでくれたあなた  私を心の友としてください。

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