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ユメカサゴ<吉原幸子>


ユメにみられる魚なのか
ユメをみる魚なのか

大きな水槽には
色とりどりの熱帯魚がひらめいて
ユメのようにうつくしかった
けれど その中に
ユメという名のついた魚は
ぜんぜんいない

そいつは
小さな水槽の底に沈んで
からだと同じいろの岩にあごをのせたきり
動かないでいた

口をヘの字にむすんで
黒いまるい眼で遠くをみて

まばたきもせずに
(これは当り前だが)

そいつは
ユメのようにうつくしくはなかったから

きっと
ユメをみていたのだ







………………………………
詩集『魚たち・犬たち・少女たち』


テーマ : 詩・ことば
ジャンル : 小説・文学

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プロフィール

黒猫

Author:黒猫
このブログはHPから詩の部分だけをまとめました。

10代の頃からこれらの詩はいつも自分の中にありました。
私の中にとけ込んだ詩人たちんの言葉と私自身のつたないことばだち。

八木重吉の「秋の瞳」序文ではありませんが、このつたない詩を読んでくれたあなた  私を心の友としてください。

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