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花束

春の庭の花に胸をときめかせながら
花束を作った
逢うことのない あのひとに向けて


あのひとは
なぜ 摘むのかと いぶかしがる
「庭で咲かせておけばよいのに・・・・」


美しさを
ひとつの花束に凝縮して
あのひとに 伝えたい
ことばにならない私の想い


在るだけで美しいもので充分なら
音楽家も作曲家も画家もいらぬ
鳥の声や 風の音
ただ 皆 あるがままに聴けばいい
完全無比な神の芸術


それは
在るがまま では満たされぬものの所業
不完全な存在の業



私は 花を摘む
ただ「在る」だけでいられぬから

今日も花束をつくる
誰かに伝えねばいられぬから



春の庭2015






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テーマ : 自作詩
ジャンル : 小説・文学

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ありがとうございます

詩も写真も とてもきれいで涙が出ました。

あることから、ふと、中学の国語で習った 吉野弘さんの「奈々子に」と、
茨木のり子さんの「自分の感受性ぐらい」を思い出し、
検索したところ、こちらのサイトにめぐり合いました。

とても素晴らしいサイトで、嬉しくなりました。
これから毎日、少しずつ読ませていただきたいと思います。

素敵なサイトを作って下さって、ありがとうございます。✨

No title

美しい花束ですね。
考えさせられる詩です。

最近、ツイッターで言葉を記しております。
よろしかったら覗いてください。
指導してください。
@BlueWorld137
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黒猫

Author:黒猫
このブログはHPから詩の部分だけをまとめました。

10代の頃からこれらの詩はいつも自分の中にありました。
私の中にとけ込んだ詩人たちんの言葉と私自身のつたないことばだち。

八木重吉の「秋の瞳」序文ではありませんが、このつたない詩を読んでくれたあなた  私を心の友としてください。

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