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止まらぬ音

かたちあるものならば
手で触れ
鍵をかけて閉じ込めることもできようが


眩暈のような絶望感
ちりちりと焦げるような渇き
拠り所のない身もだえ
どこまでも
どこまでも
虚空に腕を伸ばし続け。



見えたと思えば 幻
真夏の陽炎
あるいは
するりと消える逃げ水
触れることすら出来ぬ切なさ
虚空に耳を凝らし
心のようにとらえどころがない、
だけど希求して止まぬ何か。

  聖なる美しいもの。

千の針に貫かれた私の身体の中から
出たがっているこの歌
私のものにしたい音楽
私のものにはならぬ音楽


想いは何度遠ざけても
眩暈のするようなその中心に向かって
らせん状に落下してゆくのです
私の意識に君臨し続ける
あの音楽


この音を誰か止めてくれるなら
わたしの声を差し上げる








燃える夕景



   
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テーマ : 自作詩
ジャンル : 小説・文学

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プロフィール

黒猫

Author:黒猫
このブログはHPから詩の部分だけをまとめました。

10代の頃からこれらの詩はいつも自分の中にありました。
私の中にとけ込んだ詩人たちんの言葉と私自身のつたないことばだち。

八木重吉の「秋の瞳」序文ではありませんが、このつたない詩を読んでくれたあなた  私を心の友としてください。

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