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湖上<中原中也>


ポッカリ月が出ましたら、
舟を浮べて出掛けませう。
波はヒタヒタ打つでせう、
風も少しはあるでせう。
 
 
沖に出たらば暗いでせう、
櫂から滴垂る水の音は
昵懇しいものに聞こえませう、
--あなたの言葉の杜切れ間を。
 
 
月は聴き耳立てるでせう、
すこしは降りても来るでせう、
われら接唇する時に
月は頭上にあるでせう。
 
 
あなたはなほも、語るでせう、
よしないことや拗言や、
洩らさず私は聴くでせう、
--けれど漕ぐ手はやめないで。
 
 
ポッカリ月が出ましたら、
舟を浮べて出掛けませう、
波はヒタヒタ打つでせう、
風も少しはあるでせう。

テーマ :
ジャンル : 小説・文学

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中也の詩を読んでいますと、募金箱があるような気になります。
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黒猫

Author:黒猫
このブログはHPから詩の部分だけをまとめました。

10代の頃からこれらの詩はいつも自分の中にありました。
私の中にとけ込んだ詩人たちんの言葉と私自身のつたないことばだち。

八木重吉の「秋の瞳」序文ではありませんが、このつたない詩を読んでくれたあなた  私を心の友としてください。

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