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或る墓碑名 <高村光太郎>


一生を棒に振りし男此処に眠る。

彼は無価値に生きたり。

彼は唯人生に偏満する不可見の理方に貫かれて動きたり。

彼は常に自己の形骸を放下せり。

彼は詩を作りたれど詩歌の城を認めず、

彼の造形美術は木材と岩石との構造にまで還元せり。

彼は人間の卑小性を怒り、その根元を価値観に帰せり。

かるが故に彼は無価値に生きたり。

一生を棒に振りし男此処に眠る。
 
 
 

テーマ :
ジャンル : 小説・文学

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黒猫

Author:黒猫
このブログはHPから詩の部分だけをまとめました。

10代の頃からこれらの詩はいつも自分の中にありました。
私の中にとけ込んだ詩人たちんの言葉と私自身のつたないことばだち。

八木重吉の「秋の瞳」序文ではありませんが、このつたない詩を読んでくれたあなた  私を心の友としてください。

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