FC2ブログ

プロメテウスの火

歌うたび
喪ったものにえぐられる
 
歌うたび
かさぶたが剥がされる
 
禁じられた火を盗んだ罰に
生きながら腸を大鷲に啄かれ続ける
プロメテウス

 
かつて
あなたの歌になりたくて
焦がれ続けた
あなたのその声で
歌われようとして
ひとりで哭いた


わたしたちが盗んだ火は
池に写った月
わたしの夢のなかに迷い込んだあなたが
あなたの夢の中で ほんのひととき
わたしの夢を抱き
わたしを歌った
 
 
ひとときだけ
わたしは あなたの夢になり
歌になった
 


届かぬ声
届かぬ旋律
永遠に断ち切られたロープは
風に舞う

 
えぐられる
千の針が刺す

  
かつての 美しかった歌は
いまは 声を失い
無残に腸を晒す 地縛霊
 

それなのに
わたしは といえば
その「痛み」すらも愛しく
手放すことができぬのだ

 
 





テーマ : 自作詩
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

非公開コメント

訪問者
realtime view
現在の閲覧者数:
プロフィール

黒猫

Author:黒猫
このブログはHPから詩の部分だけをまとめました。

10代の頃からこれらの詩はいつも自分の中にありました。
私の中にとけ込んだ詩人たちんの言葉と私自身のつたないことばだち。

八木重吉の「秋の瞳」序文ではありませんが、このつたない詩を読んでくれたあなた  私を心の友としてください。

カテゴリ
最新記事
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

最新コメント
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QRコード