夜の窓<黒田三郎>

深夜
窓がことこと音をたてている
しめ忘れたひとつの窓
 
おくれ毛をかき上げながら
しめ忘れたひとつの窓をしめる
頭蓋骨に空いたひとつの窓
 
純白の部屋の中の純白のベッド
いつのまにかまた窓があいている
ことこと音をたてている
 
深夜
遠い櫟林のなかの公衆電話室に
灯がついている
たれもいない公衆電話室に灯がついている
 
 
 
 
                  詩集「失われた墓碑銘」から
 

 
 

テーマ :
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

非公開コメント

読みました

 黒田三郎氏の詩集「失われた墓碑銘」中の「夜の窓」。戦後詩の重要な作品だと思います。
訪問者
realtime view
現在の閲覧者数:
プロフィール

黒猫

Author:黒猫
このブログはHPから詩の部分だけをまとめました。

10代の頃からこれらの詩はいつも自分の中にありました。
私の中にとけ込んだ詩人たちんの言葉と私自身のつたないことばだち。

八木重吉の「秋の瞳」序文ではありませんが、このつたない詩を読んでくれたあなた  私を心の友としてください。

カテゴリ
最新記事
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

最新コメント
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QRコード