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月夜の浜辺 <中也>

月夜の晩に、ボタンが一つ
波打際に 落ちてゐた。


それを拾って、役立てようと
僕は思ったわけでもないが
なぜだかそれを捨てるに忍びず
僕はそれを、袂(たもと)に入れた。


月夜の晩に、ボタンが一つ
波打際に、落ちてゐた。


それを拾って、役立てようと
僕は思ったわけでもないが
   月に向かってそれは抛(はふ)れず
   浪に向かってそれは抛れず
僕はそれを、袂に入れた。


月夜の晩に 拾ったボタンは
指先に沁み、心に沁みた。
月夜の晩に、拾ったボタンは
どうしてそれが、捨てられようか?



........................................(中原中也「在りし日の歌」より)

テーマ :
ジャンル : 小説・文学

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中原さんはボタンと自分の死というものをかさねあわしている
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プロフィール

黒猫

Author:黒猫
このブログはHPから詩の部分だけをまとめました。

10代の頃からこれらの詩はいつも自分の中にありました。
私の中にとけ込んだ詩人たちんの言葉と私自身のつたないことばだち。

八木重吉の「秋の瞳」序文ではありませんが、このつたない詩を読んでくれたあなた  私を心の友としてください。

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