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平和 <吉原幸子>

   
海は 凪いでいる
いま この瞬間にも
故郷を失った人たちの船が 波間に漂い
どこかの倉庫に プルトニウムが
出番を待ちながら青黒く眠っているとは
信じられないくらいだ
ことしこそ 花を眺めよう
ことしこそ やさしく生きよう
人類の のこり時間は
三年か
三十年か
永遠か
朝の 白い光のなかで
猫たちが おとなしくエサを食べているのを
見ているだけで
涙がでる


初出=東京新聞(1983年1月5日・夕刊)


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テーマ : 詩・ことば
ジャンル : 小説・文学

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黒猫

Author:黒猫
このブログはHPから詩の部分だけをまとめました。

10代の頃からこれらの詩はいつも自分の中にありました。
私の中にとけ込んだ詩人たちんの言葉と私自身のつたないことばだち。

八木重吉の「秋の瞳」序文ではありませんが、このつたない詩を読んでくれたあなた  私を心の友としてください。

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