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辛夷


ひっそりと
体中に 白い胡蝶をまとって
雪のように佇む辛夷の樹


ひとは 梅を愛で
桜を心待ちにし
その挟間
訪れる人もまばらな
林の奥で


ひそやかに
香りの息を吐きながら
ただ
そこに在る
静けさ
 
 


<辛夷

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(2022)

テーマ : 詩・ことば
ジャンル : 小説・文学

椿

椿の木が燃える
地面も燃える


春の柔らかい日差しの中で
そこだけがくっきりと
まるで
ひとつの情念のように



ツバキ



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テーマ : 詩・ことば
ジャンル : 小説・文学

life is

Amazonフォトが
「去年のこの日」
と言って死んだ猫の写真を出してくる
切なくも懐かしい
胸の痛くなる風景


時は過ぎてゆく

全ての生ける物の宿命
映画にも大河ドラマにも
長編小説にもエンディングがあるように
必ず来る 「fin」 の文字

LIFE とは まさに
われわれの「持ち時間」


砂時計のように あるいは
蝋燭の灯のように
不可逆的に
消費されゆくもの
今、この瞬間にも


止まった時計
だんだん遠くなる景色
愛しいものたちとの終わった時間
いつか終わる私の時間
残り時間を刻む心臓の鼓動





くろ20201031


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ジャンル : 小説・文学

終末 <吉原幸子>


愛するものがむざんな殺されかたをしたとき
どこの国の
どんないろをした人たちも
同じ悲痛な声で泣く
シェルターはいらない
もしわたしの半分が溶け崩れて悶え死んだら
あとの半分は 悲しみによって死ぬだろう
酒場のすみの
女優商売上ったりの
さみしい四十女がつぶやいている
〈老後のしたくがなんにもしてないからさあ
 地球がもうじき滅びてくれなきゃ
 困るのよね......〉

テーマ : 詩・ことば
ジャンル : 小説・文学

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プロフィール

黒猫

Author:黒猫
このブログはHPから詩の部分だけをまとめました。

10代の頃からこれらの詩はいつも自分の中にありました。
私の中にとけ込んだ詩人たちんの言葉と私自身のつたないことばだち。

八木重吉の「秋の瞳」序文ではありませんが、このつたない詩を読んでくれたあなた  私を心の友としてください。

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