石原吉郎のことば
大量殺戮のもっとも大きな罪は、そのなかの一人の重みを抹殺したことにある。 そしてその罪は、ジェノサイドを告発する側も、まったくおなじ次元で犯しているのである。 戦争のもっとも大きな罪は、一人の運命にたいする罪である。およそその一点から出発しないかぎり、 私たちの問題はついに拡散をまぬかれない
『望郷と海』 (石原吉郎)
憎むとは 待つことだ
きりきりと音のするまで
待ちつくすことだ
-「待つ」
詩における言葉はいわば沈黙を語るためのことば、沈黙するためのことばであるといってもいいと思います。もっとも語りにくいもの、もっとも耐えがたいものを語ろうとする衝動が、ことばにこのような不幸な機能を課したと考えることができます
----
詩人が常に自分の作品の最終的な責任者であるかというと必ずしもそうではありません。作品の中には作者が最終的に責任を負いきれない部分があるのがふつうですし、その部分は、読者にとっても作者にとっても難解な部分であり、しかもその部分によって作品全体が支えられている
ー「沈黙するための言葉」
『望郷と海』 (石原吉郎)
![]() | 望郷と海 (始まりの本) (2012/06/09) 石原 吉郎 商品詳細を見る |
憎むとは 待つことだ
きりきりと音のするまで
待ちつくすことだ
-「待つ」
詩における言葉はいわば沈黙を語るためのことば、沈黙するためのことばであるといってもいいと思います。もっとも語りにくいもの、もっとも耐えがたいものを語ろうとする衝動が、ことばにこのような不幸な機能を課したと考えることができます
----
詩人が常に自分の作品の最終的な責任者であるかというと必ずしもそうではありません。作品の中には作者が最終的に責任を負いきれない部分があるのがふつうですし、その部分は、読者にとっても作者にとっても難解な部分であり、しかもその部分によって作品全体が支えられている
ー「沈黙するための言葉」
![]() | 石原吉郎詩文集 (講談社文芸文庫) (2005/06/11) 石原 吉郎 商品詳細を見る |