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金継

HDDを整理していた。
2002年だの2003年だのの画像フォルダを久しぶりに眺めた。
前のマンションでの4匹の猫達。
「幸せだったのにね…」とおもわずひとりごつ。

幸せだった、とは 猫たち。
この子たちとの時間が幸せで平和だった。

4匹のうち2匹は3年前に旅立ってしまった。
他の2匹も まだ子猫だったり、ぴちぴちの若猫だ。
今は2匹とも年を取ってしまった。
 
そして人間も。


父も母もこの時は元気だったけど もう居ない。



夫とは 続かないかと思った割には続いていて 
この頃二人の間にあった「嵐」はいつか過ぎ去り
それなりに馴染んで平和な日々となり
何よりも二人共 年を取った。


この頃 まだ音楽は再開してなかった。
ただ ひとりでピアノを(ピアノの音が嫌いな夫の居ない時に)弾くほかは、もっぱら音楽は聴くばかりだったっけ。


音楽(チェロ)を再開したことで変わった運命

出会ってしまったために起こった、あの悲惨な事件。
あれより酷いことはないと思うほどの凄惨な修羅の末に滅ぼされた私の心はかろうじて永らえたものの、今 これは生きていると言えるのか言えないのか
わからないけれど とりあえずは日々を暮らしている。

去年(2013年)の突発的な転落事故が原因で少しばかり健康に制約を受けた。
あの頃 想像もしてなかった未来。




「音楽は魔物」 
と その人は言った。
私と酒を酌み交わしながら。


そうだね。魔物だね。
私達はその悪魔に魂を売ってしまったのだ。
その割には見返りに大した音楽の演奏能力は与えられなかったけどね。


声と引き換えに望むものに全てを賭けた人魚姫と
私達は変わらないのかもしれない。

勝負に負けて最後は海の泡になるとこまで同じ?


私にそう語った、かつて私の人生で最も愛と尊敬を捧げた相手だったその人は、
ある日すさまじいばかりの「鬼」に変貌してしまった。
魂を鬼に喰らわせた者は、己も鬼に変わってしまう。
悲しい、悲しい、鬼。
愛しい人の変わり果てた姿を見たオルフェウスのように 
私もそこで 黄泉の坂をUターンしてすぐさま戻らなければなかったのだ。
それなのにグズグズど思いきれず
亡者といつまでも添い遂げようとしてしまった。
とっくに死んでいる者と。


去年の転落事故も
その悲惨な出来事と無縁ではないと密かに心の奥で確信している。
あの体験で 心が吹っ飛んだ私は、一時かなり危険な状態になった。毎日が死と隣合わせだった。
3年かけてどうにか踏みとどまったものの、不眠症が残り、そのために処方されていた睡眠薬が原因の事故だから。

人生って本当に因果、因縁で綴られてゆくのだと感じる。





しみじみと 旧い日々の哀しさ懐かしさと、
今なお生きてゆくことの心の痛みとを噛み締めたのだった。



それでも人は生きてゆく。
人の心は、しぶとくいつか蘇り再生する。


一度 割れてしまった陶器を金と漆で再生させる「金継」という技術がある。
その器は無欠だった以前の器とは別の器となる。
金継した傷痕が新しい美しさになり味わいとなる。

しかし 割れる前の強度には二度と戻らないから、いたわりつつ大切に永らえなければならない。

人の心も同じなのです。






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テーマ : エッセイ
ジャンル : 小説・文学

虚空

誰もいない
なにもかも 寂しい
ひとりきりだ
誰もいない
ひとりきりでいつまでもバッハを弾く
早く帰りたい
(どこへ)


八方ふさがりで 壁の向こうに虚空が広がる
星もない黒い宇宙だ
早く終わらせたい
さよなら
さよなら
さよなら、自分
さよなら あなた
さよなら 世界
 
たまりつづける音にならぬ 声




テーマ : 自作詩
ジャンル : 小説・文学

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プロフィール

黒猫

Author:黒猫
このブログはHPから詩の部分だけをまとめました。

10代の頃からこれらの詩はいつも自分の中にありました。
私の中にとけ込んだ詩人たちんの言葉と私自身のつたないことばだち。

八木重吉の「秋の瞳」序文ではありませんが、このつたない詩を読んでくれたあなた  私を心の友としてください。

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