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そのときはまるで気にとまらなかったのに

ずっとあとで

心のあちこちにひっかかった棘の痛さに

大泣きしてしまう

波打ち際で波が退いた後に残る

尖った貝殻みたく 

いつの間にやら突き刺り

私を傷めつける棘

  




何本もの棘

 

喪ったものを 思い知らせる 棘たち
 









   
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テーマ : 自作詩
ジャンル : 小説・文学

蜘蛛の巣

無造作に壊される
緻密に張られた蜘蛛の巣
ひとふりで払いのけられる脆い存在。

渾身の力で
身を削って吐き出した糸で編まれた作品が
いとも簡単に。

だけど かまわず
彼はまた営々と作り直すだろう

ひとのように悲しむこともせず
黙々と
ただちにまた
「現実」を綴り始めるだろう

彼の世界
彼の棲家
彼の日常。

何度払われても
何度否定されても
その意味など考えず。


いつか主の消えた巣だけが残される日まで






(2013年7月)





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プロフィール

黒猫

Author:黒猫
このブログはHPから詩の部分だけをまとめました。

10代の頃からこれらの詩はいつも自分の中にありました。
私の中にとけ込んだ詩人たちんの言葉と私自身のつたないことばだち。

八木重吉の「秋の瞳」序文ではありませんが、このつたない詩を読んでくれたあなた  私を心の友としてください。

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