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ゆふぐれ

秋は その空気に 
すでに 冬を孕む
生が予め 死を孕むかの如く 
  
あこがれと
さみしさと
かなしみと
痛みの一杯に詰まった胸の中が
こぼれないように
そっと大事に抱えて
他人だらけの満員電車に乗る
  

やがて暮れては
凍りつく藍色の夜空に
冷たく輝くのはオリオン座
 
わたしは
この胸を抱えて
どこまで乗ってゆこう
 


夕景



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----Nov 2012



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テーマ : 自作詩
ジャンル : 小説・文学

のちの思ひに<立原道造>

夢はいつもかへつて行つた 山の麓のさびしい村に
水引草に風が立ち
草ひばりのうたひやまない
しづまりかへつた午さがりの林道を
  
うららかに青い空には陽がてり 火山は眠つてゐた
――そして私は
見て來たものを 島々を 波を 岬を 日光月光を
だれもきいてゐないと知りながら 語りつづけた……
  
夢は そのさきには もうゆかない
なにもかも 忘れ果てようとおもひ
忘れつくしたことさへ 忘れてしまつたときには
  
夢は 真冬の追憶のうちに凍るであらう
そして それは戸をあけて 寂寥のなかに
星くづにてらされた道を過ぎ去るであらう
   

  
     詩:立原道造 『萱草に寄す』 ソナチネ



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ジャンル : 小説・文学

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プロフィール

黒猫

Author:黒猫
このブログはHPから詩の部分だけをまとめました。

10代の頃からこれらの詩はいつも自分の中にありました。
私の中にとけ込んだ詩人たちんの言葉と私自身のつたないことばだち。

八木重吉の「秋の瞳」序文ではありませんが、このつたない詩を読んでくれたあなた  私を心の友としてください。

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