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信じる<谷川俊太郎>

笑うときには大口あけて
おこるときには本気でおこる
自分にうそがつけない私
そんな私を私は信じる
信じることに理由はいらない


地雷をふんで足をなくした
子どもの写真目をそらさずに
黙って涙を流したあなた
そんなあなたを私は信じる
信じることでよみがえるいのち


葉末(はずえ)の露(つゆ)がきらめく朝に
何をみつめる小鹿のひとみ
すべてのものが日々新しい
そんな世界を私は信じる
信じることは生きるみなもと


     (谷川俊太郎)
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荒野

信じていたものすべてが
汚れきってしまったとき
もう何も見たくない
 
過去には意味はない
信頼が失望にかわり
愛が憎しみに変わったとしても
奥底にあるのはいつも
「かなしみ」だ。
 
灰色の荒野
荒涼とした風景
醜い人の心
  
何もかもが崩れてゆく
陽の光に当たった吸血鬼のように。
 

もう
灰すらも残したくない
 
風よ 吹け 






 

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楽器

チェロはね 中身が空洞だから
きれいに響くんだよ
 
 
ならば
私も きれいに響けるだろうか
 
 

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無力な音

 
寂しいから 弾く
弾くと 寂しくなる
だから更に弾く
そうするともっと寂しくなる
なのでもっと弾く

休めない
 

私の音楽はあまりにつたなくて
無力で
自身を満たすことができない
 
細い枝のように
寄りかかれば折れるから
頼りない
 
 
止まれば 寄りかかってしまうから
止まれない
   
 
 
 
 
 
 

 

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黒猫

Author:黒猫
このブログはHPから詩の部分だけをまとめました。

10代の頃からこれらの詩はいつも自分の中にありました。
私の中にとけ込んだ詩人たちんの言葉と私自身のつたないことばだち。

八木重吉の「秋の瞳」序文ではありませんが、このつたない詩を読んでくれたあなた  私を心の友としてください。

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