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かなしみ

薄いグラス一杯に張られた水の表面だ

心が震えるたびに

あふれ、こぼれる


 
 
 
 
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テーマ : 自作詩
ジャンル : 小説・文学

プロメテウスの火

歌うたび
喪ったものにえぐられる
 
歌うたび
かさぶたが剥がされる
 
禁じられた火を盗んだ罰に
生きながら腸を大鷲に啄かれ続ける
プロメテウス

 
かつて
あなたの歌になりたくて
焦がれ続けた
あなたのその声で
歌われようとして
ひとりで哭いた


わたしたちが盗んだ火は
池に写った月
わたしの夢のなかに迷い込んだあなたが
あなたの夢の中で ほんのひととき
わたしの夢を抱き
わたしを歌った
 
 
ひとときだけ
わたしは あなたの夢になり
歌になった
 


届かぬ声
届かぬ旋律
永遠に断ち切られたロープは
風に舞う

 
えぐられる
千の針が刺す

  
かつての 美しかった歌は
いまは 声を失い
無残に腸を晒す 地縛霊
 

それなのに
わたしは といえば
その「痛み」すらも愛しく
手放すことができぬのだ

 
 





テーマ : 自作詩
ジャンル : 小説・文学

(マザー・テレサの言葉より)

思考に気をつけなさいそれはいつか言葉になるから。

言葉に気をつけなさいそれはいつか行動になるから。

行動に気をつけなさいそれはいつか習慣になるから。

習慣に気をつけなさいそれはいつか性格になるから。

性格に気をつけなさいそれはいつか運命になるから。


骨<中原中也>



ホラホラ、これが僕の骨だ、
生きてゐた時の苦労にみちた
あのけがらはしい肉を破つて、
しらじらと雨に洗はれ
ヌックと出た、骨の尖(さき)。


それは光沢もない、
ただいたづらにしらじらと、
雨を吸収する、
風に吹かれる、
幾分空を反映する。


生きてゐた時に、
これが食堂の雑踏の中に、
坐つてゐたこともある、
みつばのおしたしを食つたこともある、
と思へばなんとも可笑しい。


ホラホラ、これが僕の骨――
見てゐるのは僕? 可笑しなことだ。
霊魂はあとに残つて、
また骨の処にやつて来て、
見てゐるのかしら?


故郷の小川のへりに、
半ばは枯れた草に立つて
見てゐるのは、――僕?
恰度(ちやうど)立札ほどの高さに、
骨はしらじらととんがつてゐる。






『骨』/『中原中也詩集』大岡昇平 編(岩波文庫)



テーマ :
ジャンル : 小説・文学

春日狂想(抜粋)<中原中也>

愛するものが死んだ時には、
自殺しなけあなりません。

愛するものが死んだ時には、
それより他に、方法がない。

けれどもそれでも、業が深くて、
なほもながらふことともなつたら、

奉仕の気持に、なることなんです。
奉仕の気持に、なることなんです。

愛するものは、死んだのですから、
たしかにそれは、死んだのですから、

もはやどうにも、ならぬのですから、
そのもののために、そのもののために、

奉仕の気持に、ならなけあならない。
奉仕の気持に、ならなけあならない。




(中也が愛児を失ったときのもの。 中也の死の10ヶ月前)









テーマ :
ジャンル : 小説・文学

かなしみ<谷川俊太郎>

あの青い空の波の音が聞こえるあたりに
何かとんでもないおとし物を
僕はしてきてしまったらしい
透明な過去の駅で
遺失物係の前に立ったら
僕は余計に悲しくなってしまった

テーマ :
ジャンル : 小説・文学

あたしが娼婦になったら<ある17歳の詩>

あたしが娼婦になったら
いちばん最初のおきゃくはおかもとたろうだ。
あたしが娼婦になったら
あたしがいままで買い求めた本をみんな古本屋に売り払って、世界中で一番香りのよい石鹸を買おう
あたしが娼婦になったら
悲しみいっぱい背負ってきた人には、翼をあげよう。
あたしが娼婦になったら
たろうの匂いの残ったプライベートルームは、いつもきれいにそうじして悪いけどもだれもいれない
あたしが娼婦になったら
太陽の下で汗をながしながらお洗濯をしよう
あたしが娼婦になったら
アンドロメダを腕輪にする呪文をおぼえよう
あたしが娼婦になったら
誰にも犯サレナイ少女になろう
あたしが娼婦になったら
悲しみを乗り越えた慈悲深いマリアになろう
あたしが娼婦になったら
黒人(アポロ)に五月の風を教えよう
私が娼婦になったら
黒人からJAZZを押してもらおう
悲しい時にはベッドにはいって
たろうのにおいをかぎ
うれしい時には風に向かってしずかに次に起こることを待ち、
誰かにむしょうに会いたくなったらベッドにもぐって息を殺して遠い星の声を聞こう






【解説】寺山修司『書を捨てよ、町へ出よう』P.10~11 に「この詩を書いたのは,17歳の女子高校生である」とだけある。最初の「おかもとたろう」を「ゆきぐにのたろう」とするものもあるようだ。
「この女子高校生には,親父たちの性にまつわる生活の暗闇の垢など,みじんも感じられない.」
「嫉妬が,愛情や肉体の私有財産化という,独占主義から発していると知るとき,
ぼくはむしろ貞淑という名の美徳よりも,この十七歳の女子高校生の優しさに組したい.」
【感想】ものすごく心にドカンと来た。自分の中にある同じものに訴えかけてきた。
切り離せない肉体とココロ。
谷川俊太郎の「からだの中に」の一節にも共通項がある。








テーマ :
ジャンル : 小説・文学

月を追われた兎

月には かつて兎がいた
いまは もう いない

 
 
あれは 夢
この世のものではない幻
あれは なかったこと
あれは 池に映った 月
手に入らぬもの
 
  

月にとっては
あれは 寝覚めの悪い夢
思い出したくない醜い傷痕
 
 

「兎など 僕の中にはいなかった」
 
月がそうつぶやけば
兎はもう棲むことができない

 

遠ざかる足音
日暮れてゆく世界
かすんでゆく輪郭
融けてゆく雪
だんだん聞こえなくなる声


やがて闇と静けさが包み込む
寂しい終末。


テーマ : 自作詩
ジャンル : 小説・文学

だまして下さい言葉やさしく<永瀬清子>



だまして下さい言葉やさしく
よろこばせて下さいあたたかい声で。
世慣れぬわたしの心いれをも
受けて下さい、ほめて下さい。
あああなたには誰よりもわたしが要ると
感謝のほほえみでだまして下さい。


その時わたしは
思いあがつて傲慢になるでしようか
いえいえわたしは
やわらかい蔓草のようにそれを捕えて
それを力に立ちがりましょう。


もつともつとやさしくなりましよう
もつともつと美しく
心ききたる女子になりましよう。


ああわたしはあまりにも荒地にそだちました。
飢えた心にせめて一つほしいものは
わたしがあなたによろこばれると
そう考えるよろこびです。
あけがたの露やそよかぜほどにも
あなたにそれが判つて下されば
わたしの瞳はいきいきと若くなりましよう。
うれしさに涙をいつぱいためながら
だまされだまされてゆたかになりましよう。
目かくしの鬼を導くように
ああわたしをやさしい拍手で導いて下さい。


               永瀬清子 詩集「だましてください言葉やさしく」  http://a.r10.to/hBv3CD

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永瀬 清子

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テーマ :
ジャンル : 小説・文学

私の想いを


私の想いを
一匹の猫にたとえたら
 
ある日突然 
車に轢かれた 猫
瀕死のそれを
誰も見向きはせず
流れ続ける血は乾くことがない
 
とうとう息絶え
花を手向ける人もなく
野ざらし 雨ざらし
弔うものもなく

埋葬するものものなく
いつまでも放置された亡骸
 

いつか 
肉も骨も塵となり
「思い出」という抜け殻になれるまで
どれだけ
そうしていればよいのだろう
 

テーマ : 自作詩
ジャンル : 小説・文学

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黒猫

Author:黒猫
このブログはHPから詩の部分だけをまとめました。

10代の頃からこれらの詩はいつも自分の中にありました。
私の中にとけ込んだ詩人たちんの言葉と私自身のつたないことばだち。

八木重吉の「秋の瞳」序文ではありませんが、このつたない詩を読んでくれたあなた  私を心の友としてください。

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