鏡 <高野喜久雄>
人は 創ったことだろう
その前に立つものは
悉く 己の前に立ち
その前で問うものは
そのまま 問われるものとなる
しかも なお
その奥処へと進み入るため
人は更に 逆にしりぞかねばならぬとは
大切なことばたち、好きな詩人の詩、 自分のことばたちを綴ります。
ここにいた。もうここにはいない。
死とはもうここにはいないということである。
なんと 切々と しかし静かなことばだろうか。
そうなのである。
死 とは いたものが 今 ここにいなくなる ということ
ぽっかりと 最初から何もなかったかのように でも
あなたを知っている私の心の目には
それは 「あなたが欠けた」空間と映る
その空白の分が 死。
そして いずれ わたしも、また。 消えてなくなる。
あなたの前から。
私を知っていたあなたも また 消えてなくなる。
そうして 関係が すべて 空に消えて行ったあとも
なにごともなかったように
世界は 進行するのです。
わたしたちは、何をすべきか、でなく
何をなすべきでないか、考えるべきだ。
このひとの詩には
いつも はっとさせられることばとの出会いがある。
「人の品性は
なにをするか ではなく
なにをしないか で計られる」
と 私は思う。 そんなことも 思い起こす。
2010年
そして 今 音楽に辿り着いたのです。
いえ 原点に戻ったといったほうが正確です。
今 わたしは 自分で自分を満たす
自分ひとりで自分を愛していこうと思う。