自作詩 <目 次>
ひっそりと/体中に 白い胡蝶をまとって/ …
109 椿
椿の木が燃える/地面も燃える/ …
108 life is
Amazonフォトが/「去年のこの日」/と言って死んだ猫の写真を出してくる/ …
107 冬の黄昏
夕暮れ時/買い物帰りに見上げた西の空/
裸木のレースに透けて見える金の雲/ …
106 オオカミ少女
「私が死んでみせた時だけ/
私の遺した言葉は誰かに受け取ってもらえる/ …
105 もつれた糸
こんがらがった糸/ ほぐせない糸/ …
104 夏至
「夏至」は一番さみしい日だ。/胸の奥がちりりと痛む/ …103 花束
春の庭の花に胸をときめかせながら/ 花束を作った/ …
102 募金箱
胸に 鉛のかたまり/ 私を押しつぶそうと…
101 残像
あなたは消えた/わたしは消えた/ あなたの心のなかのわたし…
100 白昼夢
意思を持って強く念じれば/ 夢も真(まこと)になる…
99 Starless
誰もいない/なにもかも 寂しい…
98 約束
約束があるから/日々を生きている…
97 コトバなど
言葉は私と誰かを繋がない。/言葉はひとと私を隔てる…
96 さくら
今日もまた/部屋に満ちる/薄めた鉛のような時間…
95 ひとり。
古びた写真の中の笑顔/私はもうそこには居ない…
94 Happy Birthday
求め続ける心を/隠しながら…
93 亡霊
固く抱きあい/ひととき儚い夢を見た私達…
92 止まらぬ音
かたちあるものならば/手で触れ/鍵をかけて…
91 刻印
なぜ 今さら私は泣くのだ/心に刻まれた刻印…
90 棘
話していた時は気にも止めなかった言葉が/ずっとあとで…
89 蜘蛛の巣
無造作に壊される/緻密に張られた蜘蛛の巣…
88 よたか
消えかかった蝋燭の、弱々しい炎。/あるいは、…
87 憧憬
静かに頭のなかに響く音に耐える/1耳をふさいでも塞いでも…
86 貝殻
100度書いて/100度消す…
85 私の棺に
3月に死んだら棺に沈丁花を/…
84 ゆふぐれ
秋は その空気に/すでに 冬を孕む/…
83 鏡
伝えたかったものは/何だったのか/…
82 秋
秋のよく晴れた朝/冬に向かう太陽/夏に向かう太陽…
81 絆
滅びの前の美しすぎる1日の輝きが/宝石のように胸を締めつける/…
80 暗闇
薄明かりの中/離れてベットに横になると/…
79 呪い
行かないで/私の手を離さないで/…
78 罠
私は あなたに呪いをかけた/あなたの心がどこにも行けないように
77 fiction
みてくれほどに あたたかいわけではない/…
76 音楽
あなたは求めてやまぬ神/…
75 霙(みぞれ)
雪になりきれぬ/ゆめの残り香…
74 甘美な毒
愛は/自分が自分にかける呪い/…
73 一寸の虫にも
老猫とみつめあう/たましいと たましいが…
72 鬼
あの夜/激しい雪の向こうに立っていたのは/…
71 9月
美しい秋が来る/…
70 黄泉坂
刻々と日々が過ぎてゆく/目眩がするような/…
69 蜻蛉
たしかに/それは…
68 言霊
その心の狂おしい動きに/軽々しく名前をつけるな…
67 かげろうの卵
ことば以前のなにか/ことばにした瞬間に…
66 風葬
信じていたものすべてが/汚れきってしまったとき…
65 チェロ
チェロはね 中身が空洞だから/きれいに響くんだよ…
64 無力な音
寂しいから 弾く/弾くと 寂しくなる…
63 ねこになりたい
猫になりたい/鳥になりたい…
62 春宵
薄闇の中 /ほの白く浮き上がる満開の桜の下を…
61 弾く
弾けば/千の針が心に刺さる…
60 暮れゆく春の庭で
知っていた/それが 嘘でも 輝いていた…
58 かなしみ
薄いグラス一杯に張られた水の表面だ/…
57 プロメテウスの火
歌うたび/喪ったものにえぐられる…
56 月を追われた兎
月には かつて兎がいた/いまは もう いない…
55 私の想いを
私の想いを/一匹の猫にたとえたら…
54 空っぽの椅子と
(2011)
53 ひっそりと/私の「現実(うつつ)」の中には いつも…
宝箱
何を守ろうとしている? /「宝箱よ」…
52 音楽
眠れぬ日々の夢とうつつに/目眩の中で弾くBACH…
51 恋は
恋は/ さながら悪い夢…
50 秋の別れ
秋が来るたびに私は哭くだろう/…
49 渇く
まるで海水のように/飲めば飲むほど…
48 からだとこころ
からだを通して/愛は執着にかわり…
47 残酷なけもの
アクセルとブレーキを同時に踏み続ける/…
46 あなたが求めるものが
あなたが求めるものが 美しい花ならば/わたしは花になろう…
45 岩を抱きて
文字にはできぬ/岩のような想い…
44 深海魚
すべての扉を閉じて/静かに…
43 あおおに。
「泣いた赤鬼」の中の「青鬼」のように/…
42 森の中で
深い森の中で/迷子になって 泣いている子供…
41 こころは
こころは/見えない檻のなかに…
40 孵らぬ卵
昔飼っていたインコを思い出す/…
39 夜の海
心は しばしば/私の予想を裏切る…
38 猫は
なにも定義しない/ただ ただ…
37 わたしは
わたしは一冊の本/わたしは一遍の音楽…
36 弦
わたしの弦と/共鳴しあう弦を持った…
35 逃げ水
自分の中にどこまでも広がる暗闇に/ただ音楽だけが…
34 私がほしいものは (2010)
私がほしいものは/…
33 春の夜のひとりごと (2010)
あなたの幸せで心に灯がともること/…
32 森 (2010)→★改訂 2011/4
私は 私の森の中に隠れる /…
31 かけら (2010)
扉は閉まる/鼻先で…
30 冬はいつも (2010)
冬はいつも/誰かに…
29 石になれ (2010)
誰にも接続せず/…
28 ムジカ (2010)
寝ても覚めても/頭の中を占拠している…
27 考える (2007)
私はなにに希望をつないでいる?/…
26 喪失 (2007)
人、とだろうが/猫、とだろうが…
25 不思議な石臼 (2004)
私の心は/停まらなくなった石臼…
24 虚空 (2003)
私の心は 中空でとまったまま/…
23 意味 (2003)
私が知りたかったのは「意味」/…
22 失われてゆくもの (2001)
失われてゆくもの/それは/鏡の中の私…
21 冬枯れ (2001)
孤独は/静かに 心をむしばんでゆく…
20 わたしの中に
いろいろなことのあった 十九のわたし/…
19 抱擁
それはいつも転落をさそう 甘美な罠…
18 きんもくせい (Aged 30)
ああ/そうか/この 香り…
17 無題 (Aged 29)
桜の花 や 梅の香 /くちなしや 沈丁花…
16 恋 (Aged 29)
人生 という/長い夢の中で…
15 魚─別れるひとに─ (Aged 27)
私の猫はいつも暗い方をみつめている/…
14 月と魚──恋しいひとに─ (Aged 27)
わたしは 深い夜の海に棲む魚/…
13 冬 (Aged 24)
朝一番に/ブリキの洗面器に張った水のような…
12 無題~カタツムリ (Aged 22)
聞きたくもないのに 一方的に/…
11 ガラス玉 (Aged 22)
まるい ガラス玉はうつくしい/完全で…
10 貝 (Aged 20)
それなのに あなたは/コトバを手放そうとはしなかった…
9 扉 (Aged 19)
おそるおそる/そちらを向いてみる…
8 別れ (Aged 19)
日が暮れて/鳥が飛んで…
7 扉 (Aged 17)
扉をあけると/そこは 雑踏…
6 渦 (Aged 17)
海は 風と一緒になりたくて/荒れ狂う…
5 夕暮 (Aged 17)
からだの中に うずまく/ことばたち…
4 薄暮 (Aged 16)
何も云ってくれないから/わたしは いつも おきざり
…
3 無題 (Aged 16)
なにも見ない眼と/なにも云わない口と…
2 無題 (Aged 16)
心よ凍てつけ/こおってしまえ…
1 黄昏 (Aged 15)
夕暮れ時/いつのまにか一羽の鳥になって…