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雨<八木重吉>

雨のおとがきこえる

雨がふっていたのだ



あのおとのようにそっと世のためにはたらいていよう

雨があがるようにしづかに死んでゆこう
 
 
 
 

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ひかる人 <八木重吉>

私をぬぐうてしまい
そこのとこへひかるような人をたたせたい 
 

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草をむしる <八木重吉>

草をむしれば
あたりが かるくなってくる
わたしが
草をむしっているだけになってくる
 
 

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虫 <八木重吉>

虫が鳴いている
いま ないておかなければ
もう駄目だというふうに鳴いている
しぜんと
涙をさそわれる
 
 
 

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冬 <八木重吉>

葉は赤くなり
うつくしさに耐えず落ちてしまった
地はつめたくなり
霜をだして死ぬまいとしている
 
 
 

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霜  <八木重吉>

地はうつくしい気持ちをはりきって耐(こ)らえていた
その気持を草にも花にも吐けなかった
とうとう肉をみせるようにはげしい霜をだした
 
 

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「鞠とぶりきの独楽」 より <八木重吉>

ぽくぽくひとりでついていた

わたしのまりを

ひょいと

あなたになげたくなるように

ひょいと

あなたがかえしてくれるように

そんなふうになんでもいったらなあ




    
----------------------「鞠とぶりきの独楽」 より抜粋








 

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素朴な琴 (八木重吉)

この明るさのなかへ

ひとつの素朴な琴をおけば

秋の美くしさに耐えかね

琴はしずかに鳴りいだすだろう
  






秋

















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うつくしいもの

わたしみづからのなかでもいい
わたしの外の せかいでも いい
どこにか 「ほんとうに 美しいもの」は ないのか
それが 敵であつても かまわない
及びがたくても よい
ただ 在るといふことが 分りさへすれば、
ああ ひさしくも これを追ふにつかれたこころ

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私は、友が無くては、耐えられぬのです。しかし、
私にはありません。この貧しい詩を、これを読んでく
ださる方の胸へ捧げます。 そして 私を あなたの友
にしてください。



八木重吉「秋の瞳」序文
「青春の詩集」日本編/八木重吉詩集/鈴木亨編
白鳳社 ISBN4-8262-1918-0

引用




少女の頃から  ずっと変わらず
私の心のなかには この 「序文」 が
鳴り続けております。

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黒猫

Author:黒猫
このブログはHPから詩の部分だけをまとめました。

10代の頃からこれらの詩はいつも自分の中にありました。
私の中にとけ込んだ詩人たちんの言葉と私自身のつたないことばだち。

八木重吉の「秋の瞳」序文ではありませんが、このつたない詩を読んでくれたあなた  私を心の友としてください。

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