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鴎(かもめ)<三好達治>

ついに自由は彼らのものだ 
彼ら空で恋をして
雲を彼らの臥所とする
ついに自由は彼らのものだ

ついに自由は彼らのものだ 
太陽を東の壁にかけ
海が夜明けの食堂だ
ついに自由は彼らのものだ

ついに自由は彼らのものだ 
太陽を西の窓にかけ
海が日暮れの舞踏室だ
ついに自由は彼らのものだ

ついに自由は彼らのものだ 
彼ら自身が彼らの故郷
彼ら自身が彼らの墳墓
ついに自由は彼らのものだ

ついに自由は彼らのものだ 
一つの星をすみかとし
一つの言葉でことたりる
ついに自由は彼らのものだ

ついに自由は彼らのものだ 
朝やけを朝の歌とし
夕やけを夕べの歌とす
ついに自由は彼らのものだ




 三好達治 著 詩集「砂の砦」より




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昨日はどこにもありません<三好達治>

昨日はどこにもありません

あちらの箪笥のひき出しにも

こちらの机の引き出しにも

昨日はどこにもありません




それは昨日の写真でしょうか

そこにあなたの立っている

そこにあなたの笑っている

それは昨日の写真でしょうか




いいえ

昨日はありません




今日を打つのは今日の時計

昨日の時計はありません

今日を打つのは今日の時計




昨日はどこにもありません

昨日の部屋はありません

それは今日の窓掛けです

それは今日のスリッパです




今日悲しいのは今日のこと

昨日のことではありません

昨日はどこにもありません

今日悲しいのは今日のこと




いいえ悲しくはありません

何で悲しいものでしょう

昨日はどこにもありません

何が悲しいものですか




昨日はどこにもありません

そこにあなたの立っていた

そこにあなたの笑っていた




昨日はどこにもありません
 






長田弘の「猫に未来はない」をふと連想する。
 
そう。過去などないのと同じ。
そして過去に近いも遠いもなく
それは ただのモニュメント…
 
「過去」となったものには、もはや私の心を動かす力はない
(2011/8/22)





 

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土<三好達治>

蟻が

蝶の羽をひいて行く

ああ ヨットのやうだ
 

 

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黒猫

Author:黒猫
このブログはHPから詩の部分だけをまとめました。

10代の頃からこれらの詩はいつも自分の中にありました。
私の中にとけ込んだ詩人たちんの言葉と私自身のつたないことばだち。

八木重吉の「秋の瞳」序文ではありませんが、このつたない詩を読んでくれたあなた  私を心の友としてください。

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