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街 (中江俊夫)

ここに街がある
だが わかっているものはなにもない
私はふり返って見なければならない
人がたっているかもしれないから
私はときどき目をつぶる
すると そのまま夜になってしまって
突然 ひろい海岸に出たりする


そこでは星もなく
水もなく 魚もいない 死んでしまって
そして私自身 ひょっとしたら
いないかもしれない
誰かが 私たち人間のことを
おしえたようだ
(君らなんか ずっとさきに)


ここに家並みがある
私が歩いてゆくのだ
私はなにを求めているのか いま
私はなにを失ったのか いつ――
(私の内に 街がある
 独りの
 別の 街がある)


                  詩集<魚のなかの時間>から
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夕方 (中江俊夫)

なにか

―――――

「それから」

と言おうとして

まだなにもいっていない

だれか

それをきいていたのだろう

「それから」   と

すぐうしろでひきつぎ

わたくしにかまわず話していく





わたくしはとまどいして

理由もないのに

仲間はずれにされた子供のように

この不意の人に

それでも  それをとがめることが出来ず

そのときの部屋に  もう

わたくしがいないのを感じる


                  詩集<魚のなかの時間>から

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夜と魚 (中江俊夫)

魚たちは 夜
自分たちが 地球のそとに
流れでるのを感じる
水が少なくなるので
尾ひれをしきりにふりながら
夜が あまり静かなので
自分たちの水をはねる音が 気になる
誰かにきこえやしないかと思って
夜をすかして見る
すると
もう何年も前にまよい出た
一匹の水すましが
帰り道にまよって 思案も忘れたように
ぐるぐる回っているのに出会う


                           詩集<魚のなかの時間>から

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プロフィール

黒猫

Author:黒猫
このブログはHPから詩の部分だけをまとめました。

10代の頃からこれらの詩はいつも自分の中にありました。
私の中にとけ込んだ詩人たちんの言葉と私自身のつたないことばだち。

八木重吉の「秋の瞳」序文ではありませんが、このつたない詩を読んでくれたあなた  私を心の友としてください。

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